いますぐ実践! Linuxシステム管理

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いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.127 / 読者数:1229名

こんばんは、うすだです。

先日、お客さまから、摩訶不思議なお話を伺いました。

Windows マシンに Cygwin を入れて使っているのですが、 chmod コマンドでファイルのアクセス権を変更しようとしても、 なぜか変更されないのだそうです。 (以下のような感じです。実際に見せていただきました。)

  % ls -l zzz
  -rw-r--r-- 1 usu adm 11431 12月16日 23:34 zzz
  % chmod 755 zzz
  % ls -l zzz
  -rw-r--r-- 1 usu adm 11431 12月16日 23:34 zzz

しかも、同じ Cygwin のバージョンを使っていても、 デスクトップの PC では問題ないのに、 ノートPC では複数で現象が発生しているそうです。

とりあえず、わたしはそういう現象に遭遇したことがないですし、 原因がまったく想像できないので、うーんと唸ることしかできませんでした。

もし、そういう現象に遭遇したことがあり、こうしたら直るよとかご存じでしたら、 ご教示いただけないでしょうか。> みなさま
(お礼といってはなんですが、栗日記ポストカードを差し上げます…。)

…というわけで、世の中には、想像を越えた現実というものが、 まだまだ存在するのだなということを、再認識しました。

変なところに着地したところで、今週も、はりきってまいりましょう。

今週のお題 - Linux お試し環境を作る 〜 VMware Player 編

なんやかんや言いながら、当メルマガも、もうすぐ3年を迎えようとしています。 思えば、いろいろなネタを取り上げてきた…と思います。

そんな中、いままでに、是非お試しください、というセリフを、 腐るほど書いてきました。
しかしながら、試すためには、試した結果おかしなことになってもいい、 お試しな Linux 環境が必要です。
そう考えますと、はたして、読者のみなさんは、お試し環境をお持ちなのだろうか、 という疑問がふつふつと湧いてきます。

Linux のシステム管理をいっちょやってみるか、と思って、 当メルマガに登録したのはいいけれど、お試し環境がない。 仕方がないので、読むだけで終わり…というかたが、 結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

やはり、システム管理者たるもの、お試し環境があり、 そこで失敗を繰り返すことで経験値が上がり、 後輩にうんちくをたれることができるようになるのだと思います。

ですので、今週は、 お試し環境のデファクトスタンダードと(勝手に)位置づけている VMware Player を、 Windows なマシンに入れて構築する手順について、ご紹介したいと思います。


とはいえ、VMware Player のインストール方法なんて、Google 様に伺うと、 山のように見つかると思いますので、わざわざここでご紹介するのもどうか、 という気はしております。

ですので、すでに構築されているかたは、宿題まですっ飛ばしていただくか、 今回はお休みだったと思っていただけますと、幸いです。

さて、お試し環境の構築手順は、おおざっぱに書くと、以下の通りです。

  1. VMware Player を入手してインストールする。
  2. インストールしたい OS の、インストール用 CD-ROM (or DVD-ROM)のイメージを入手する。
  3. vmx ファイルを作成する。
  4. vmdk ファイルを用意する。
  5. VMware Player を起動して、OS のインストールを行う。

それでは順番に、ざっとご紹介していきます。


VMware Player は、VMware 社が公開している仮想マシンで、 無料で使用することができます。

VMware Player のページ
http://www.vmware.com/jp/products/player/

そもそもは、VMware Workstation や VMware Server など、 製品版で作成した仮想環境を実行するためのものです。
ですので、残念ながら、 VMware Player 自身には OS をインストールする機能は含まれていません。

しかし、仮想マシンから見て、今実行していることが、 インストール作業なのかそうでないのかを、判別することはできません。
ですので、以降を行うことで、VMware Player 上で、 OS をインストールすることが可能になります。

ま、なにはともあれ、以下から、 VMware Player をダウンロードすることから始めましょう。 (注意: 名前とかの登録が必要です。)

VMware Player のダウンロード
http://www.vmware.com/jp/download/player/

ダウンロードしたファイルを実行して、よきように「次へ」等を選択していけば、 あっという間にインストールは完了します。


さて、次は、VMware Player 上で動作させたい OS の、 インストール用の CD-ROM(もしくは DVD-ROM)イメージを入手しましょう。

わたしは、今回、Debian 4.0rev1 を入れてみました。
Debian の CD-ROM のイメージは、以下から入手できます。

Debian GNU/Linux の CD
http://www.debian.org/CD/

ただ、フルセットはでかすぎましたので、 ネットワークインストール用の小さなイメージを使用しました。

Debian のネットワークインストール用 CD-ROM イメージ
http://cdimage.debian.org/debian-cd/4.0_r1/i386/iso-cd/debian-40r1-i386-netinst.iso

他の主要なディストリビューションなどは、以下から入手してください。

Fedora を入手
http://fedoraproject.org/get-fedora
Ubuntu の入手
http://www.ubuntulinux.jp/products/GetUbuntu
リリース版 - openSUSE
http://ja.opensuse.org/Released_Version
How to get Vine Linux
http://www.vinelinux.org/getvine.html
NetBSD の入手法
http://www.jp.netbsd.org/ja/releases/
Getting FreeBSD
http://www.freebsd.org/ja/where.html
Downloads at OpenSolaris.org (要ユーザ登録)
http://www.opensolaris.org/os/downloads/


それでは、OS のインストールを…と行きたいところですが、その前に、 設定ファイルである vmx ファイルと、 ディスクイメージを記録するための vmdk ファイルが必要です。

とりあえず、vmx ファイルから用意したいと思います。
全部の内容をここで公開するのはアレですので、ここはひとまず、 以下のファイルをダウンロードしてください。

Debian 用の VMware 各種ファイル一式 (vmdk の雛型を含みます)
http://www.usupi.org/sysad/127_vm.zip

この中に Debian.vmx というファイルがありますので、 これを雛型として使用してください。
ただし、入れたいものが Debian じゃないかたは、 以下を修正する必要があると思います。 メモ帳などを使って、よきように変更してください。

  • memsize = "64"
    使用するメモリ量です。64MB を割り当てていますが、 グラフィカルなインストールを行うのなら、"256" 以上にする必要がありそうです。 (もともとそれ以上のメモリがないと、ダメですが…。)
  • ide0:0.fileName = "Debian.vmdk"
    vmdk ファイルを指定します。実際のファイル名に変更しましょう。
  • ide1:0.filename = "debian-40r1-i386-netinst.iso"
    使用する CD-ROM のイメージです。 これも、使用するイメージの名前に変更してください。
    ちなみに、ホンモノの CD-ROM ドライブを使用する場合は、 ide1:0 の設定を以下のようにしてください。
      ide1:0.present = "TRUE"
      ide1:0.deviceType = "cdrom-raw"
      ide1:0.autodetect = "TRUE"
      ide1:0.fileName = "auto detect"
    
  • displayName = "Debian 4.0r1"
    表示される名前です。お好きなものに変更してください。
  • guestOS = "linux"
    入れたい OS が Linux じゃない場合は、変更が必要です。
    たとえば、*BSD なら "other" に、OpenSolaris なら "solaris10" に変更しましょう。

そして、もうひとつ必要なのが、vmdk ファイルです。
これを作成するには、QEMU というソフトに付属するツールを使うのが、 楽だと思います。

QEMU
http://fabrice.bellard.free.fr/qemu/

本家は上記ですが、Windows 版が、以下に公開されています。

QEMU on Windows
http://www.h7.dion.ne.jp/~qemu-win/index-ja.html

上記の中の、qemu-img というコマンドを使用して、 vmdk ファイルを作成することができます。

  > qemu-img create -f vmdk ファイル名 サイズ

たとえば、16GB のサイズの Fedora8.vmdk という vmdk ファイルを作成するには、 以下のように実行します。

  > qemu-img create -f vmdk Fedora8.vmdk 16G

QEMU の入手が面倒だなと思われた貴兄は、先ほどのファイルに、 いくつか雛型を用意しておきました。vmdks フォルダの中にありますので、 お好みのサイズのファイルをコピーして、お使いくださいませ。


はい、あとは、VMware Player を起動して、OS をインストールするだけです。
適当なフォルダを作成して、その下に vmx ファイルと vmdk ファイルを置いておいて、 VMware Player で vmx ファイルを開けば、 あとは勝手にインストールが始まるはずです。

  > mkdir Debian_vm
  > cd Debian_vm
  > copy \Some\Where\127_vm\Debian.vmx
  > copy \Some\Where\127_vm\vmdks\16GB.vmdk Debian.vmdk

以上、VMware Player でお試し環境を作る方法を、ご紹介しました。

VMware Player のいいところは、Windows だけでなく、 Linux 上でも動作するところではないかと思います。(とてもお世話になっています。)

ちなみに、Linux 版も、仮想環境の構築方法は、ほぼ同じです。
ただ、インストール後、vmware-config.pl を実行して、 いくつかの質問に答える必要のあるところが、 Windows 版よりやや敷居が高いように思います。 (全部デフォルトのまま答えればいいだけかもしれませんが…。)

さらにちなみに、公開されている VMware 用のイメージを使えば、 上記の作業を行うことなく、すぐに使うことができます。
有名なのは、Ubuntu でしょうか。時間のないかたは、お試しください。

Ubuntu の VMware 用仮想マシンのダウンロード
http://www.ubuntulinux.jp/products/JA-Localized/vmware

宿題の答え

先週の宿題は、

  スレーブサーバを chroot して動かしてください。

でした。

前回同様、Ubuntu の場合と、Fedora の場合の例を、以下に示します。

まずは、Ubuntu の場合です。
/usr/lib/named/etc/bind/named.conf.local に、 以下の設定が含まれていると仮定します。

  zone "test.usupi.org" {
      type slave;
      file "test.usupi.org.zone";
      masters { 192.168.1.1; };
  };

そして、ゾーンファイルの置き場所が、/usr/lib/named/var/cache/bind だとしますと、 named が、そのディレクトリへの書き込みの権限を持っている必要があります。
(named.conf.local に、directory "/var/cache/bind"; とあります。)
Ubuntu の場合、bind ユーザの権限で named が動作しますので、 bind の所有物にしてしまいましょう。

  # chown bind.bind /usr/lib/named/var/cache/bind

そして、named を再起動します。

  # /etc/init.d/bind9 restart

次に、Fedora の場合です。
/usr/lib/named/etc/named.conf に、同様の記述があるとします。

  zone "test.usupi.org" {
      type slave;
      file "slaves/test.usupi.org.zone"; 
      masters { 192.168.1.1; };
  };

この場合、ゾーンファイルは /usr/lib/named/var/named/slaves に記録されますので、 同様に、named が書き込めるように設定します。
(named.conf に、directory "/var/named"; とあります。)

  # mkdir /usr/lib/named/var/named/slaves
  # chown named.named /usr/lib/named/var/named/slaves

そして、named を再起動します。

  # /etc/init.d/named restart

ただし、SELinux が有効になっていますと、以下の設定も必要です。
以下を行ってから、named を再起動してください。

  # chcon system_u:object_r:named_cache_t var/named/slaves

ちなみに、書き込めなくって named が困ると、 以下のようなメッセージを syslog に出力してくれます。 (pid や xxxxx には数値が入ります。)

  named[pid]: transfer of 'test.usupi.org/IN' from 192.168.1.1#53: \
  connected using 192.168.1.232#45608
  named[pid]: dumping master file: tmp-xxxxxx: open: permission \
  denied
  named[pid]: transfer of 'test.usupi.org/IN' from 192.168.1.1#53: \
  failed while receiving responses: permission denied
  named[pid]: transfer of 'test.usupi.org/IN' from 192.168.1.1#53: \
  end of transfer

/var/log/messages や /var/log/syslog を確認して、 適切な設定を行うようにしてくださいませ。

今週の宿題

今週の宿題は、

  VMware Player 上で、Live CD を起動してみましょう。

です。

無料で手に入る Live CD は星の数ほどありそうですが(注: ないです)、 KNOPPIX のような Live CD がメインだけでなく、 Ubuntu や Fedora などメジャーなディストリビューションの Live CD も、 最近は存在します。

とにかく、なんでも構いませんので、VMware Player 上で、 どこかで入手した Live CD を動かしてみてください。
(しかし、宿題の答えが難しいなぁ…。(書くことがないかもです。))

あとがき

別のところにも書いたのですが、最近、 やるべきことをこなすためのいい方法を思いつき、 それなりにこなせるようになりつつあります。

といっても、そんな難しいものではなく、ただ単に、 やることを限りなく細分化して書き出す、というだけの、お気楽な方法です。
たとえば、当メルマガに関することですと、今までは、 以下の1行だけを書いて済ませていました。

  - シス管: 発行

この1行は、以下のように細かく分けることができます。

  - シス管: VMware Player をインストール
  - シス管: インストールする OS を選択
  - シス管: ↑OS のインストール
  - シス管: はじめの文章を検討
  ...

そして、毎朝、今日1日やることを、 (メルマガ以外のことも含めて)以下のようにかき集めてリストアップします。

  *** 2007/12/14
  - 本業: xxの出荷物を用意
  - 本業: yyドライバのaaを追加
  - 本業: yyドライバのbbの動作を確認
  ...
  - シス管: はじめの文章を検討
  - gmail: スパムメールのチェック
  ...

あとは、リストアップした項目をひとつずつこなしていき、 終わった項目に印をつけるだけです。
ひとつの作業自体はたいしたことがないので、すぐに印をつけられます。
すると、さくさく印をつけていけるので、すごく仕事をした気になれるのです。 つまらなさそうに見えますが、やってみると、意外に充実感を味うことができます。 (ただし、私の場合は…ですが。)

これを、わたしは、テキストファイルに書いて実行しています。

知合いのかたから勧められた、 Remember The Milk とか check*pad などのツールを使えば、 いまどきな感じでかっこよさそうなのですが、更新が面倒臭いというのもあり、 ぜんぜん使いこなせませんでした。

Remember The Milk
http://www.rememberthemilk.com/?hl=ja
目標管理ツール - checkpad.jp
http://www.checkpad.jp/

結局、テキストにまさるものはないという、 オールドタイプなひとにありがちな結論に達しております…。

まあ、ありがちな方法かもしれませんが、ご存じなくて、 仕事が進まないとお嘆きの貴兄は、一度お試しくださいませ。

 

さて、12月も残すところあと半月となりました。
当メルマガも、今年の発行は、これで最後となります。
今年1年、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

わたしも、これで新年を迎えることができそう…と思いきや、 本業がまだまだ怪しげな気配です。(12/28 出荷とか書いてありますし…。)
平和な新年が迎えられるよう、残りを本業に専念したいと思います。

 

今週も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、来年の 1月7日 頃に、お会いしましょう!
それでは、みなさま、よいお年をお迎えください!

 

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