いますぐ実践! Linuxシステム管理

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いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.089 / 読者数:976名

こんばんは、うすだです。

雑誌に、CD-ROM や DVD-ROM がついてくることがありますよね。

段ボールのような分厚い紙におさまっていて、ミシン目にそって開封すると、 外に取り出せるようになっている、アレです。

当然のことながら、購入した雑誌にソレがついていると、 開封して中身を拝見するわけですが、わたしは、今まで、 ミシン目にそってきれいに開封できたことがありません。
書いてある通りにやろうとしても、うまくはがせないか、 ミシン目と違うところが裂けていき、 幼児が牛乳パックを無理矢理こじ開けたような状態になってしまいます。 …もうゲンナリです。

みなさんは、アレを、うまく取り出せているのでしょうか。
わたしは、上手に取り出せるひとはあまりいないだろう、と思っているのですが、 あのインターフェースがまったく改善されないところを見ると、 そうでもないのかもしれない、という疑念をいだいてしまいます。

あと、これとは関係ありませんが、CD をケースから取り出すのも、 上手ではありません。CD を割ってしまうのではないか、という恐怖感と戦いながら、 毎回取り出しております。

世の中には、まだまだ発展途上なことがいっぱいあるのだ、 と前向き(?)にとらえつつ、今週も、はりきってまいりたいと思います。

今週のお題 - ディスクをミラーリングする

大切なデータを保存しているディスクは、ディスクが突然壊れたときなどのために、 当然バックアップをとりますよね。
しかし、バックアップをとってから、ディスクが壊れるまでの間のデータは、 さすがに失われてしまうことが多いのではないかと思います。

作業を再び行うことで、リカバリーできることもあるかもしれませんが、 それでは済まされないことも、場合によってはあるかもしれません。
とはいえ、バックアップを頻繁にとっていると、パフォーマンスや管理の面で、 いろいろと支障をきたすことになります。

そんなときのために、大事なデータは、ミラーリングされたディスク上に記録する、 というのはいかがでしょうか。
ミラーリングされていれば、どちらかのディスクが壊れても、 もう一方のディスクが無事なら、データが失われることがありません。

というわけで今週は、ディスクをミラーリングする方法を、ご紹介したいと思います。


Linux カーネルには、いわゆる RAID を、 ソフトウェア的に構築して使用するためのドライバが、存在します。 (新しめの 2.4 以降にあります。)
これと mdadm パッケージを使えば、意外と簡単にミラーリングさせることができます。

今回は、2つのパーティションをミラーリングする方法を、 以下の手順でご紹介していこうと思います。

  1. ディスクを用意し、パーティションを2つ作成する。
  2. MD(Multi-device)デバイスを作成する。
  3. MDデバイスをフォーマットして使えるようにする。
  4. OS 起動時に、自動的にマウントして使えるようにする。

ディスクは、できれば2台用意すべきですが、とりあえず試すだけなら、 1台だけでも構いません。 ただし、ディスクが壊れたら、2つとも失われる可能性がありますので、 実運用には、これっぽっちもお勧めしません。
ディスクを2台用意する場合、同じメーカや同じ型番でなくても、ぜんぜん構いません。 また、パーティションのサイズも、きっちり同じである必要はありません。 (小さい方の容量まで使用できます。)


というわけで、まずは、パーティションを作成しましょう。
ディスクが2台ある場合はそれぞれに1つずつ、1台で試す場合は1台に2つ作成します。
パーティションを作成するには、fdisk や cfdisk などのコマンドを実行します。

例として、/dev/hdb 上にある既存のパーティションを削除して、2つ作成する手順を、 以下に示します。(長くてすみません。)

  # fdisk /dev/hdb

  Command (m for help): d         <== パーティションの削除
  Selected partition 1

  Command (m for help): n         <== パーティション1の作成
  Command action
     e   extended
     p   primary partition (1-4)
  p                               <== プライマリを指定
  Partition number (1-4): 1       <== 1番を指定 (サイズは約半分)
  First cylinder (1-260, default 1): 
  Using default value 1
  Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1-260, default 260): 130

  Command (m for help): n         <== パーティション2の作成
  Command action
     e   extended
     p   primary partition (1-4)
  p                               <== プライマリを指定
  Partition number (1-4): 2       <== 2番を指定 (サイズは残り全部)
  First cylinder (131-260, default 131): 
  Using default value 131
  Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1-260, default 260):
  Using default value 260

  Command (m for help): p         <== パーティションを表示して確認

  Disk /dev/hdb: 134 MB, 134217728 bytes
  16 heads, 63 sectors/track, 260 cylinders
  Units = cylinders of 1008 * 512 = 516096 bytes

     Device Boot      Start         End      Blocks   Id  System
  /dev/hdb1               1         130       65488+  83  Linux
  /dev/hdb2             131         260       65520   83  Linux

  Command (m for help): w         <== 記録して終了
  The partition table has been altered!

  Calling ioctl() to re-read partition table.
  Syncing disks.

パーティションを作成しましたので、次は、MDデバイスという、 仮想的なディスクを作成します。
MDデバイスの作成には、mdadm コマンドを実行します。
実行例を、以下に示します。

  # mdadm -C /dev/md0 -ayes -l raid1 -n 2 /dev/hdb1 /dev/hdb2
  mdadm: array /dev/md0 started.

-C オプションで、直後に指定した /dev/md0 という MDデバイスの作成を指示します。 -ayes オプションを指定すると、/dev/md0 というデバイスファイルがなければ、 勝手に作成してくれます。
-l オプションで、RAID のレベルを指定します。今回はミラーリングですので、 raid1 を指定しています。
-n オプションで、実際に使用するパーティションの個数を指定します。
最後に、使用する実際のパーティションを指定しています。

きちんと設定できたかどうかは、/proc/mdstat を参照することで、確認できます。

  # cat /proc/mdstat 
  Personalities : [raid1] 
  md0 : active raid1 hdb2[1] hdb1[0]
        65408 blocks [2/2] [UU]
        [=======>.............]  resync = 36.0% ...後略...
      
  unused devices: <none>

なにやら矢印が出ていますが、これは、 同期をとっている最中であることを示しています。 同期が終われば、矢印の行が消えます。

また、mdadm コマンドでも、状態を確認できます。
以下のように、-D オプションと MD デバイスを指定します。

  # mdadm -D /dev/md0
  /dev/md0:
          Version : 00.90.03
    Creation Time : Fri Jul 14 13:40:14 2006
       Raid Level : raid1
       Array Size : 65408 (63.89 MiB 66.98 MB)
      Device Size : 65408 (63.89 MiB 66.98 MB)
     Raid Devices : 2
    Total Devices : 2
  ...中略...

      Number   Major   Minor   RaidDevice State
         0       3       65        0      active sync   /dev/hdb1
         1       3       66        1      active sync   /dev/hdb2

MDデバイスが作成できたら、早速フォーマットして使ってみましょう。
たとえば、ext3 ファイルシステムとして使いたい場合は、 以下のように mkfs.ext3 コマンド(またの名を mke2fs)を実行します。

  # mkfs.ext3 /dev/md0

そして、実際にマウントします。
以下では、/mnt/data というディレクトリにマウントしています。

  # mount /dev/md0 /mnt/data
  # ls /mnt/data
  lost+found/

あとは、煮るなり焼くなり、ご自由にお使いください。


さて、ミラーリングの設定ができましたので、最後に、 恒久的に使用するための設定を行いたいと思います。
そのためにはまず、/etc/mdadm.conf というファイルを作成します。
/etc/mdadm.conf の例を、以下に示します。

  DEVICE /dev/hdb*
  ARRAY /dev/md0 level=raid1 num-devices=2 UUID=云々...

1行目は、実際のパーティションを指定します。上記のような、 ワイルドカード等による曖昧な指定で、問題ないようです。
2行目は、mdadm -Ds を実行したときの出力結果そのままです。
というわけで、以下のようにして作成すればよさそうです。

  # cat > /etc/mdadm.conf
  DEVICE /dev/hdb*
  (Ctrl-d を押下)
  # mdadm -Ds >> /etc/mdadm.conf

そして、/etc/fstab に、たとえば以下の1行を追加します。

  /dev/md0   /mnt/data   ext3   defaults    1 3

これで、次に OS が起動される際には、/mnt/data がマウントされます。
(/etc/rc.d/rc.sysinit で mdadm が呼ばれ、 /etc/mdadm.conf の設定が自動的に行われるためです。)


以上、mdadm を用いたミラーリングの設定方法を、ご紹介しました。
ミラーリングをソフトウェアで行いますので、ディスクをあまり選ばないのが、 お気軽でよいですね。

ただ、パフォーマンス的には、あまりよくないかもしれません。
そのあたりは、実際のデータの重要性などを考慮して、場合によっては、 ハードウェアで行うものを使用するなど、 別の方法も検討する必要があるのではないかと思います。

宿題の答え

先週の宿題は、

  暗号化されたファイルを一部変更して、復号化されないことを確認して
  みましょう。

でした。

以下のように、確認してみました。

まず、適当なファイルを暗号化して、テキスト形式で出力します。

  % gpg -a -o hosts.gpg -r "USUDA Hisashi" -e /etc/hosts

そして、適当なエディタ(vi など)を立ち上げ、中身を改竄します。
たとえば、先頭の4行が、以下のようになっていたとします。

  -----BEGIN PGP MESSAGE-----
  Version: GnuPG v1.4.5 (GNU/Linux)

  hQIOAynGV2R2UTcZEAf/bq1cTFDaKZCpxTosgEuFuFYTWwRQS/DW3HMmIlR9Gl8u

どこを変更してもいいですが、あとで簡単に戻せるように、 最後の u を U にしてみましょう。
暗号化ファイルを変更して保存したら、以下のように復号化を試みます。

  % gpg -o hosts -d hosts.gpg
  gpg: CRCエラー。271706 - f6c653
  gpg: encrypted_mdc packet with unknown version 255

…チェックサムが一致しなくなったため、叱られてしまいました。

ちなみに、--ignore-crc-error オプションをつけて、 CRCエラーをスルーさせられます。しかし、大抵は別のエラーが発生しますし、 もし復号化に成功したとしても、

  gpg: 警告: 暗号化されたメッセージは改竄されています!

なんていう、オソロシイ警告が発せられます。
ですので、こっそり改竄する(される)のは、かなり難しそうですね。

今週の宿題

今週の宿題は、

  ミラーリングされたディスクを、いずれか一方のパーティションだけで
  使えるかどうか、試してみましょう。

です。

いずれか一方のパーティションが壊れたと仮定し、 正常なパーティションだけで使用できるかどうかを、試してみてください。
以下のように、アンマウントして MDデバイスを停止させてから、お試しください。

  # umount /mnt/data
  # mdadm -S /dev/md0

あとがき

ここのところ、雨後のタケノコのように、 仮想化ソフトウェアがつぎつぎとフリーで公開されているようですね。

先日も、VirtualBox という、x86 を仮想化するソフトが、 個人利用かつお試しに限られますが、無償利用できるようになりました。
(機能が限定されますが、ソースが公開されている GPL 版もあります。)

独 Innotek 社の VirtualBox
http://www.virtualbox.org/

VMware 並に動作し、USB をサポートするなど、いろいろ機能がそろっているようです。 USB をゲスト OS 上で使いたい病にかかっているわたくしとしましては、 とても嬉しい逸品だと言えます。

面白いのは、 RDP(Windows のリモートデスクトップのプロトコル)経由でゲスト OS にアクセスできるところでしょうか。
(実際、別の Linux マシンから rdesktop でつながりました。)

というわけで、ここ数日間、ちょこちょこと試して遊んでいました。
基本的な設定や操作は GUI で簡単にできますので、楽チンです。
ただ、すんなりと起動しないときがあったり、 USB を使うには usbfs に(自分の権限で)読み書きできないといけなかったりなど、 いくつか細工が必要でした。ネットワークの設定も、よくわからないため、 今のところは使えていません。

とはいえ、それなりに高速かつ安定動作しますし、SDK なんかもあるようですので、 いろいろ楽しめそうです。
VMPlayer に不満のあるかたは、一度試してみてはいかがでしょうか。

 

今週も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週に、お会いしましょう!

 

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