いますぐ実践! Linuxシステム管理

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いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.081 / 読者数:938名

こんばんは、うすだです。

この間、会社宛に、英語の電話がかかってきました。

わたしはほとんど英語が話せないので、電話口でおろおろしていますと、 そのうちカタコトの日本語で、なんとか会話してくださいました。

結局趣旨がわからず、本社にかけてください、と日本語でお願いすると、 とりあえずメールで質問をいただくことになりました。

まあ、わたくしのような末端の社員が、恐れおおくも応対することはないと思い、 メールが来たら誰かにお願いしようと、そのとき思いました。

しかし、その後数日たってますが、それらしきメールがやってきません。
鈍いわたくしも、今から思うと、 ソーシャルエンジニアリングというやつだったのではないか、という気がしてきました。

以前にも、英語と日本語の交じった変な電話があり、 名前やらを聞かれたことがありました。 (その後、転職を勧める妙なメールが来ました…。)

英語で問合せると、受け側は焦って余裕がなくなり、 隙ができていろいろ聞き出せるということかと、いまさらながらしております。
みなさんも、英語のアヤシイ電話には、十分ご注意ください。

あーなんだかとってもクヤシイですが、そんなことは早く忘れて、 今週も、はりきってまいろうと思います。

今週のお題 - DHCP サーバを動かす / アポカリプス

先週、DHCP サーバの設定方法の、ごくごく基本的なところをご紹介したところで、 終わってしまいました。

Vol.080 - DHCP サーバを動かす
http://www.usupi.org/sysad/080.html

今週はその続きで、個別設定とリレーエージェントの2つを、 ご紹介しようと思います。
どちらかでも構いませんので、目を通していただけますと、幸いです。


DHCP クライアントがみんな同じようなクライアントで、平等かつ公平に、 動的な IP アドレスを割り振ればいいってことであれば、 先週の最小限的設定でこと足りるんじゃないかと思います。

しかしながら、あるひとには固定のアドレスを割り振らないといけない、 というニーズに答える必要も、ときにはあるのではないかと思います。
そんなときには、/etc/dhcpd.conf に以下の設定を加えましょう。
(Debian 系の場合は、/etc/dhcp3/dhcpd.conf です。)

  host ホスト名 {
      hardware ethernet MACアドレス;
      fixed-address 割り当てる固定のIPアドレス;
      その他の設定;
  }

たとえば、MACアドレスが 00:01:02:03:04:05 のマシンに、 192.168.1.99 というIPアドレスを割り当てたい場合は、以下の設定を加えます。

  host test1 {
      hardware ethernet 00:01:02:03:04:05;
      fixed-address 192.168.1.99;
  }

ホスト名には、任意の名前を用いることができますが、 他の host と重複しない名前にする必要があります。
また、上記は、subnet の中でも外でも、どちらに書いても構いません。

 

さて、固定のアドレスを割り当てる必要のあるひとたちは、なにかの端末で、 PXE などでブートするため、 ブートファイル名や TFTP サーバを教えてあげる必要がある、としましょう。
それらの設定を、host 毎に指定するのはとても面倒ですし、 サーバなどが変わったときに書き換えることを考えると、萎えますよね。

そんなときには、group で囲むと、共通の設定をまとめて指定できます。
以下は、filename と next-server の設定を、みんなで共有しています。
(filename でブートファイル名を、 next-server でブートファイルを持つサーバを指定しています。)

  group {
      filename "pxelinux.0";
      next-server 192.168.1.1;
      host test1 {
          hardware ethernet 00:01:02:03:04:05;
          fixed-address 192.168.1.99;
      }
      host test2 {
          hardware ethernet 00:01:02:03:04:06;
          fixed-address 192.168.1.100;
      }
      ...
  }

また、group は、固定でないアドレスを割り当てる場合にも使えます。
たとえば以下のように、MAC アドレスによって、使用するブートファイルを分ける、 という設定を行うことができます。
(test1 と test2 は pxelinux.0 を、 test3 と test4 は bzImage という具合に分けています。)

  subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 {
      range 192.168.1.240 192.168.1.247;
      option routers 192.168.1.254;
      option domain-name-servers 192.168.1.1;
  }

  group {
      filename "pxelinux.0";
      next-server 192.168.1.1;
      host test1 { hardware ethernet 00:01:02:03:04:05; }
      host test2 { hardware ethernet 00:01:02:03:04:06; }
  }

  group {
      filename "bzImage";
      next-server 192.168.1.2;
      option root-path "/export/diskless/share";
      host test3 { hardware ethernet 00:01:02:03:04:07; }
      host test4 { hardware ethernet 00:01:02:03:04:08; }
  }

以上で、dhcpd.conf の基本的な設定のご紹介は、おしまいにします。
最後に、リレーエージェントのご紹介をさせてください。

社内ネットワークが複数のサブネットに分割されている場合、 サブネット毎に DHCP サーバが必要になります。 でも、サブネット毎に DHCP サーバを動かしていると、管理が面倒くさくなります。

ゲートウェイマシン上で動かすという手もありますが、 ゲートウェイからすべてのサブネットが見える場合にしか通用しません。

それでも、DHCPサーバは一つで運用したい、という貴兄もいらっしゃるでしょう。 (わたしも、そう思います。)
そんなときには、リレーエージェントなるものを使うと、解決します。
リレーエージェントは、一方のネットワークからの DHCP クライアントのメッセージを、 別のネットワークに横流ししてくれるひとです。

たとえば、以下のようなネットワーク構成で、192.168.1.0/24 上にいる DHCPサーバが、 192.168.2.0/24 上の DHCPクライアントに、 アドレスなどを割り当てられるようにしてみましょう。

     [DHCPサーバ]
          | 192.168.1.1
          |
          | 192.168.1.254 (eth0)
    [ゲートウェイ]
          | 192.168.2.254 (eth1)
          |
  [DHCPクライアント]

DHCP サーバの dhcpd.conf には、192.168.2.0/24 の情報を記述するだけです。 たとえば、192.168.2.240〜247 を割り当てるための、その部分の最小限的な例を、 以下に示します。

  subnet 192.168.2.0 netmask 255.255.255.0 {
      range 192.168.2.240 192.168.2.247;
  }

そして、192.168.1.0/24 と 192.168.2.0/24 を取り持つゲートウェイ上で、 リレーエージェントを動かします。
リレーエージェントの実行ファイル名は、dhcrelay です。
あ、Debian の場合は、dhcrelay3 です。 これは dhcp3-relay パッケージにありますので、 もしなければ、apt などでインストールしてください。

dhcrelay は、引数に DHCP サーバを指定して実行します。

  # dhcrelay 192.168.1.1

他にもサブネットがあるけれど、そちらからの要求はリレーしたくない、 という場合には、以下のように、リレーを許可するインターフェースを、 明示的に指定します。

  # dhcrelay -i eth1 192.168.1.1

これにより、DHCPクライアントからのブロードキャストな要求が、 リレーエージェントによって DHCPサーバに渡るようになります。

OS 起動時に dhcrelay を動かすようにしたい場合は、 chkconfig などで有効にしてください。
そのときは、DHCPサーバや許可するインターフェースを、記述する必要があります。
Fedora Core 5 や VineLinux 3.2 の場合は、 /etc/sysconfig/dhcrelay の DHCPSERVERS や INTERFACES で指定しましょう。

  INTERFACES="eth1"
  DHCPSERVERS="192.168.1.1"

Debian なかたは、 /etc/default/dhcp3-relay の SERVERS や INTERFACES で指定してください。

ちなみに、ゲートウェイマシンの IP フォワーディングは、 オフになっていても問題ありません。(アプリケーションレベルで横流しするため。)


以上、DHCP サーバの設定方法について、ご紹介しました。

やや急ぎ足かつ、詰め込み気味にご紹介しましたので、 わかりにくかったかもしれません。すみません。
なにはともあれ、なんとなく雰囲気だけでも感じとっていただけますと、 いや、できましたら、お試し環境で試していただけますと、幸いです。

宿題の答え

先週の宿題は、

  同じサブネット内に複数の DHCP サーバが動作しているとき、DHCP で
  アドレスを取得しようとしたら、どうなるでしょうか?

でした。

DHCP 自体が、複数の DHCP サーバがいることを想定しているので、 基本的には問題はありません。

アドレスをもらうときのやりとりを大雑把に書くと、以下のようになると思います。 (RFC2131 より)

  1. DHCP クライアントが DHCPDISCOVER をブロードキャストします。
  2. 割り当て可能な DHCP サーバが、アドレスなどの情報を DHCPOFFER で返します。
  3. クライアントは、複数の DHCPOFFER の中からどれか1つを選びます。
    そして DHCPREQUEST をブロードキャストします。 これには、サーバIDが含まれています。
  4. サーバは、受信した DHCPREQUEST のサーバIDを見て、 自分のIDと一致する場合は、DHCPACK を返します。 ID が一致しなければ、別のサーバから割り当てられたんだなと思ってがっかりします。

ただ、想定していたのとは違うサーバから、 変なアドレスやパラメータを受けとってしまうなどの状況に陥る可能性が、 場合によってはあります。
ですので、DHCP サーバは、サブネット内で1つだけにするか、 複数必要な場合はお互い重複しない設定にしたほうが、無難だと思います。

今週の宿題

今週の宿題は、

  DHCP サーバは、リレーエージェント経由でアドレスを割り当てるとき、
  クライアントのいるサブネットの情報を、どこから得るのでしょうか?

です。

あちこちのリレーエージェント経由で要求が来る DHCP サーバは、 リレーエージェントの向こう側にあるサブネットを、 どのように判別しているのでしょうか。

もし判別していなければ、どのアドレスを割り当てればいいかわからないはずです。 しかし実際には、DHCP クライアントが所属するサブネットのアドレスを、 間違えずに割り当てています。

どこかに、その情報が書かれているはずですが、どこから得ているのか、 パケットをキャプチャしたりして、察しをつけてみてください。
(わたしも、来週までに調べておきます。)

あとがき

以前、Python の勉強を始めたと書きましたが、今もその熱は冷めることなく、 じわじわと歩伏前進的に続いております。(珍しい!)

SoftwareDesign の特集やオレンジニュースなどで、 ちらほらと取り上げられているところを見ると、 実のところは Python ブームが到来しそうになっているのかもしれませんね。 …それは言いすぎですかね。

まあ、世間の動向はあまり気にしないようにして、 以下の書籍やサイトをときどき覗いて勉強してます。 興味のあるかたは、どうぞご覧ください。

初めてのPython 第2版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873112109/usupiorg06-22
Python & IronPython 入門
http://www.okisoft.co.jp/esc/python/iron-python-intro.html
Python調査報告
http://cydn.cybozu.co.jp/files/python_survey_at_cydn.html
Pythonでワンライナーを作成する際のノウハウ集
http://www.nishiohirokazu.org/blog/2006/08/python_12.html

 

あと、Ming というライブラリを使って、 Flash ムービーを作ろうとしていたりもしています。

Ming - a SWF output library and PHP module
http://ming.sourceforge.net/

C だけでなく、C++, PHP, Perl, Python, Ruby などからも利用できるのですが、 諸般の事情(?)により、わたしは C で書いています。

使い方をオブラートにつつんでご説明しますと、Flash で行いたい一連の動作を、 Ming の関数を呼んでコーディングします。
いちばん最後に、SWF ファイルを出力する関数を、忘れずに呼びます。
これをコンパイルして実行すると、SWF ファイルが出力されます。

という手順でとりあえずできるのですが、なんだかしっくりきません。
C のコードでは無限ループになっていないのに、ブラウザで確認すると、 延々ぐるぐる廻り続けるんですよね。 といいますか、そもそも無限ループにしてしまいますと、 SWF ファイルの出力までたどり着けませんよね。

たぶん、ひととおり実行したところで最初に戻るようになっているのだと思いますが、 となると生成したオブジェクトなどが、ループ毎に増殖している可能性があります。
Flash はガーベジコレクション様がいてくださるので、 参照されていないオブジェクトは自動的に解放されるはずですが、 自分の目で見て確認したわけではありませんので、もやもや感を払拭できずにいます。

で、なんでこんなことをしているのかと言いますと、じつは、実行例を、 Flash で動くものにしたいからなのです。
(以前作った安直 JavaScript 版は、しょぼかったですので…。)

基本部分を最初に作っておけば、あとは使い回せるだろう、という魂胆でいますが、 今のところ、思い通りのものが生成できていません。

しかし、調べたり試行錯誤しながら、少しずつ覚えていくという作業は、 なかなか楽しいです。うっかり夜なべもしてしまいますね。

途中で飽きずに、それっぽいものができるようになったら、 ソース込みでご紹介したいと思っています。
これっぽっちも期待しないで、でも傍観していただけますと、幸いです。

 

…ああ、またあとがきが長過ぎですね。以後気をつけます。

 

今週も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週に、お会いしましょう!

 

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