いますぐ実践! Linuxシステム管理

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いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.077 / 読者数:919名

こんばんは、うすだです。

子ども(小学校4年生)に、ケータイを持たせてみました。
子どもが欲しがったから、というわけではなく、親の安心のためです。

安心ケータイとかいうもので、子どもの位置を親が確認できたり、 電源を切るなどの操作を行うとメールで知らせてくれたりと、 安心を得るための機能が、いろいろ揃っています。

とはいえ、どれも既存の機能の組み合わせのようでして、 技術的な面白みはあまり感じられませんでした。 (感じる必要もありませんが…。)
たとえば、子どもの位置を確認する機能は、 だいぶ前からあるナビ機能とメールの組み合わせで構成されているように思われます。

そんな感じなのに、機能によっては、月額で有料だったりします。
うまいこと考えて作ってあるなーと思いました。商売上手ですね。

あと気になったのが、わたしのケータイより高機能なことです。
3年前のケータイと比較しちゃいけない、 ということはわかってるのですが…どれをとっても負けているのは、くやしいです。

というわけで釈然としませんが、今週も、はりきってまいりましょう!

今週のお題 - named を集中操作する

…中途半端な題名で、すみません。

先週、rndc で named の遠隔操作を行う方法について、ご紹介したのですが、 あくまでも遠隔操作のことしか触れていませんでした。

Vol.076 - named を遠隔操作する
http://www.usupi.org/sysad/076.html

大抵の場合、複数の DNS サーバが動作しているはずですので、 1箇所から複数の named を操れたほうが、もっと便利ですよね。

というわけで今週は、あちこちにある複数の named を、 rndc で遠隔操作する方法を、ご紹介したいと思います。


それってただ、複数の鍵を登録するだけなのではないか、 と思われたかたがいらっしゃると思いますが、まったくその通りです。(ごめんなさい…)

あちこちの named で設定した秘密鍵を、手元にある rndc.conf に入れてしまえば、 基本的にはオッケーです。

ただ、鍵の名前やファイル名がかぶっていると思われますので、それぞれを、 以下のように命名して扱いたいと思います。

  鍵の名前:        rndckey-DNSサーバ・マシンのホスト名
  鍵のファイル名:  /etc/rndc.key.DNSサーバ・マシンのホスト名

 

まず、DNSサーバ・マシン毎の以下の設定を、rndc.conf に追加します。

  server DNSサーバ・マシンのホスト名 {
      key "rndckey-DNSサーバ・マシンのホスト名";
  };
  include "/etc/rndc.key.DNSサーバ・マシンのホスト名";

たとえば、dns1 と dns2 というホスト名のDNSサーバがいる場合、 以下を rndc.conf に追加します。

  server dns1 {
      key "rndckey-dns1";
  };
  include "/etc/rndc.key.dns1";
  server dns2 {
      key "rndckey-dns2";
  };
  include "/etc/rndc.key.dns2";

 

そして、各DNSサーバ・マシン上の rndc.key ファイルを持ってきます。
ファイル名がかぶらないよう、上記のファイル名に変更します。

  # scp -p dns1:/etc/rndc.key /etc/rndc.key.dns1
  # scp -p dns2:/etc/rndc.key /etc/rndc.key.dns2
  # chmod 640 /etc/rndc.key.*

それぞれのファイル(/etc/rndc.key.dns[12])の中の、鍵の名前の変更も、 忘れずに行ってください。
変更したら、それぞれのマシンの named を、rndc で遠隔操作できることを確認します。

  # rndc -s dns1 status
  # rndc -s dns2 status

それでは本題の、一括して操作する手順を、ご紹介しましょう。

まずは、dns1 と dns2 の named の状態を確認したいと思います。
それぞれに対して、rndc status を実行します。

  # for host in dns1 dns2 ; do
  > echo "+++ $host"
  > rndc -s $host status | sed -e "s/^\(.*\)$/  \1/"
  > done
  +++ dns1
    number of zones: 5
    debug level: 0
    xfers running: 0
    xfers deferred: 0
    soa queries in progress: 0
    query logging is OFF
    recursive clients: 0/1000
    tcp clients: 0/100
    server is up and running
  +++ dns2
    ...

rndc の出力結果を sed に渡しているのは、出力結果の先頭に空白を挿入して、 見やすくしているだけです。(ですので、なくてもいいです。)

もし、named が動いてない場合には、以下のような出力が得られます。

  +++ dns1
  rndc: connect failed: connection refused

また、鍵が間違っているなどの場合ですと、以下のように叱られます。

  +++ dns1
  rndc: connection to remote host closed
  This may indicate that the remote server is using an older \
  version of the command protocol, this host is not authorized to \
  connect, or the key is invalid.

これらは、標準エラー出力に出力されます。
そして、rndc は 0 でない値を返します。
ですので、問題のあるときだけメッセージを出力するには、 以下のように実行します。(問題がなければ、なにも出力されません。)

  # for host in dns1 dns2 ; do
  > rndc -s $host status > /dev/null || echo "+++ $host NG"
  > done
  rndc: connect failed: connection refused
  +++ dns1 NG

 

また、状態確認(status)だけでなく、キャッシュをクリアしたり(flush)、 設定ファイルの再読み込みを行わせたり(reload)などを行うことも、可能です。 一斉に reload を行う場合の例を、以下に示します。

  # for host in dns1 dns2 ; do
  > rndc -s $host reload || echo "+++ $host NG"
  > done

ただし、reload, trace, dumpdb, stats あたりは、 サーバ側のファイルを参照したり作成したりしますので、直接的には、 遠隔操作の意味がないかもしれません。


以上、named を集中操作する方法について、ご紹介しました。

rndc 単独ではできることが限られますが、cron や syslog などをうまく使えば、 いろいろなことを集中管理することができそうです。
以下のバックナンバーなどを参考にして、試行錯誤してみてください。

Vol.002 - 簡易バックアップ リローデッド (cron の紹介です)
http://www.usupi.org/sysad/002.html
Vol.016 - syslog を管理する
http://www.usupi.org/sysad/016.html
Vol.017 - syslog を集中管理する
http://www.usupi.org/sysad/017.html

あ、cron を使った簡単な例は、今週の宿題とさせていただきました。

宿題の答え

先週の宿題は、

  rndc で使用する TCP のポート番号を、別の番号に変更しましょう。

でした。

ここでは、10953番に変更してみましょう。
DNS サーバ側は、named.conf の controls ステートメントの中で、 以下のように、port を用いて指定します。

  controls {
      inet 127.0.0.1 port 10953 allow { 127.0.0.1; }
          keys { "rndckey" };
  };

そして、named にその旨を知らせます。

  # /etc/rc.d/init.d/named reload

rndc を実行するマシンでは、rndc.conf の options ステートメントの中で、 以下のように default-port を用いて指定します。

  options {
      default-server  localhost;
      default-port    10953;
      default-key     "rndckey";
  };

そして、rndc を実行します。

  # rndc status

あるいは、rndc.conf に default-port を追加しなくても、rndc の実行時に、 -p オプションを用いて指定するというのもありです。

  # rndc -p 10953 status

うまくいかないときは、まずは、10953番を listen しているかどうか、 netstat などで確認してください。

  % netstat -an | grep 10953
  tcp    0    0 127.0.0.1:10953        0.0.0.0:*            LISTEN
  tcp    0    0 192.168.1.211:10953    0.0.0.0:*            LISTEN

あとは、named が動いているかどうか、ログになにか出力されていないかなどを、 疑ってみましょう。

今週の宿題

今週の宿題は、

  rndc を使って、各 named の動作を確認し、おかしければメールでその
  旨を通知する、というのを定期的に実行する設定をしてください。

です。

今週のお題でご紹介した例を、cron で設定し、 出力結果をメールすればよさそうです。
named の監視にもなりますので、是非設定してみてください。

あとがき

世間的には、Web2.0 とか Ruby on Rails とか RSS とかなんとかとか、 きらびやかなものが注目を浴び、持てはやされています。

しかし、それらの根底にはすべて、 プリミティブなデータの表現や演算といったものが、間違いなく存在します。
そして、それらの演算は頻繁に使用されますので、 優れたアルゴリズムを使用すればするほど、少ないリソースで高速に動作してくれます。

とはいえ、昨今のハードウェアの進歩には目覚しいものがあり、時がたつにつれ、 無駄はどんどん許容されていってしまいそうに思われます。
しかしながら、いかに無駄なく高速に実装を行うかという課題に、 なぜかわれわれは興味を抱かされてしまうようにも思われます。

 

というわけで、またしても前置きが長いですが、最近、 社長からの推薦で以下の本を読んでおります。

ハッカーのたのしみ - 本物のプログラマはいかにして問題を解くか
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434046683/usupiorg06-22

基本的な処理を、ビットの操作のレベルに落としこんで、 無駄を含まないコードに仕立てあげるという、すごいことをやりのけています。
(わたしは、ハッカーにはなれない、と思いました…。)

各章がとてもこゆいため、16章のうちまだ5章までしか読み終えていないのですが、 なかなか勉強になります。目から鱗がぼとぼとと落ちます。

システム管理とはあまり関係がないかもしれませんが、 ミクロの世界(?)に興味のあるかたは、一度書店などで立ち読んでみてください。
(あのガイ・スティールさんも絶賛! の書です。)

 

今週も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週に、お会いしましょう!

 

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http://www.usupi.org/sysad/ (まぐまぐ ID:149633)

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http://www.usupi.org/sysad/backno.html

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